2017年に日産自動車株式会社(以下、日産)と株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)が共同開発を開始した、無人運転車両を活用した交通サービス「Easy Ride」。日産の自動運転の技術や、DeNAのサービス企画力を活かして、誰でももっと自由な移動を実現する未来に向けて取り組んでいます。2020年2月、みなとみらい地区で3回目となるEasy Rideの実証実験・試乗会をおこないました。
Easy Rideでは2017年度から2回、計38日間におよぶ実証実験をおこなっています。1回目(2017年度)は「日産リーフ」をベースにした実験用車両を使い、スマホアプリからEasy Rideを呼び出し、あらかじめ決められたルートを自動運転走行するというもの。2回目(2018年度)は「e-NV200」をベースとした実験用車両を使い、スマホアプリで乗客が任意で決めた目的地まで自動運転で走行するもので、より現実のサービスイメージが湧く実証実験となりました。
2017年度
2018年度
過去2回の実証実験によって、目的のひとつであった、一般利用者の乗車体験に関する課題は見えてきました。一方で、いままでにない新しい移動体験を提供し自動運転社会を実現するためには、乗客だけでなくタクシー事業者や商業施設、中央省庁、地方自治体など関係するエコシステムを築く関係者への理解や巻き込みが非常に大切です。
そこで3回目となる今回の試乗会では、主にみなとみらい地区や横浜市、京浜交通圏で交通に関連するタクシー事業者さまや地域の日産ディーラーの関係者を中心に、現タクシーサービスとのタッチポイントの1つであるMOV CALLを通じてEasy Rideの自動運転サービスを体験していただきました。
まず横浜ロイヤルパークホテルに設置されたMOVの専用配車端末「MOV CALL」*を使ってEasy Rideを呼び出します。タッチパネルのシンプルな操作画面は、スマートフォンを持っていない方や高齢者でも直感的に操作しやすいように設計しています。
*試乗会用に特別設置。現在は横浜ハンマーヘッドや病院など横浜市および川崎市内に設置されており、通常のタクシーを呼ぶことができます。現在は株式会社Mobility Technologiesが運営。
Easy Rideを呼ぶと、あと何分でどのような車両(デザインやナンバープレートなど)が到着するかが表示されます。
配車依頼をするとレシートが発行されます。レシート下部の二次元バーコードをMOV CALLにかざすと、依頼した車両がいつ到着するのかなど都度確認できます。到着時刻が近づいたら、乗降地点でEasy Rideを待ちます。
ブルーに点灯しているのが顔認証用カメラ
Easy Rideが到着すると助手席に設置された顔認証用カメラで乗客が車両に到着したことを認識し、後部座席ドアが自動でオープンします。
出発の際はゆっくりと慎重に動き出します。なお公道を走行するため運転席にはドライバーが座っていますが、万が一のために手を添えるだけで平常時は操作をしておりません。また、オペレーターも同乗しています。助手席後ろの車内モニターには、今回のルートを示したマップ(右)、運転席のカメラ(左上)、車両が認識している歩行者や障害物などの情報を示す画面(左下)を表示しています。歩行者の検知はもちろん停車中のバスや道路工事なども検知し、既販車の運転支援技術を進化させた自動運転制御によるスムーズな車線変更の様子などもモニター上で確認できます。
法定速度を忠実に守り、ルートマップや歩行者や障害物など車両が認識している情報を確認しながら乗車可能なため、非常に安心してご乗車いただけます。
研究用の画面
総勢約200名の関係者に体験していただき、意見交換をする中で
など自動運転技術の進化への驚きの声やサービスに対する前向きな発言を多数いただきました。
また日産ディーラーの関係者からはEasy Rideのメンテナンスを担うことは新たなビジネスの機会となり、プロとして士気があがるとのコメントをいただきました。
※趣意を変更しない範囲で発言を一部抜粋、編集しております
Easy Rideは横浜で3年間実証実験を続けてきました。引き続き、電気自動車と自動運転、インターネット×AIを融合する事で、誰でも『もっと自由な移動を』実現し持続的な社会に貢献できるようチャレンジし続けます。